こんにちは、ホリ得です!
言わずとしれたアメリカンコミック『バットマン』。そんな老若男女誰もが知っているバットマンを、話題のTENETクリストファー・ノーラン監督がアメコミ原作映画のイメージを払拭するような重厚なダークな世界観で描いている最高傑作『ダークナイト』についてのお話。クリストファー・ノーラン監督のバットマン三部作、ダークナイト・トリロジーの第二作目です。バットマン作品なのにタイトルにバットマンてつかないんですよ。そこがまたオシャレです。
原題は『The Dark Night』。カタカナだと区別がつきませんがナイトは夜(Night)ではなく頭にKがつく騎士(Knight)という意味のナイトです。
私が映画の中で最も回数見た映画です。何十回観たのだろうか。
ダークナイト (字幕版)
あらすじ
犯罪都市と化しているゴッサムシティ。この街の地下犯罪組織を撲滅するためゴードン警部補、ハービー地方検事と共に奮闘するバットマン。そこに最強にして最狂のジョーカーが現れ、街はさらなる混乱に巻き込まれる。
ジョーカー役のヒース・レジャー
ダークナイトを語る上でヒース・レジャーを語らないわけにはいかないでしょう。
この作品でジョーカーを演じる俳優ヒース・レジャーはオースラリア出身の俳優、26歳の若さでアカデミー主演男優賞にノミネートされています。
彼は撮影前にロンドンのホテルの一室に一人で引きこもり、ジョーカー独特の雰囲気など徹底的な役作りをしたそうです。しかし無事撮影を終えたあと、2008年、映画の完成を待たず、28歳の若さで急に亡くなってしまいます。前年から不眠症のため睡眠薬を服用していて、当時インフルエンザを患い、複数の薬の併用摂取を原因とする急性薬物中毒による事故死だったとのことです。
彼の死後に今作『ダークナイト』が公開され、彼はアカデミー助演男優賞、ゴールデングローブ賞助演男優賞、英国アカデミー賞助演男優賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞助演男優賞などと有名な映画賞を総なめしました。
ネタバレなし感想
バットマン役のクリスチャン・ベールも役に合わせた体づくりなど徹底的な役作りで有名な俳優ですので、演技力と演技力のぶつかり合い、そしてヒース・レジャーの取り憑かれたような狂気の演技を是非観てほしいです。
とにかく二人がかっこいいです。そしてもう一人のメインキャラクターであるハービー・デントをはじめとする他の個性的なキャラクターたちの魅力、二転三転する展開とめちゃくちゃオススメの映画ですのでとにかく観てください!!
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ストーリー解説(ネタバレあり)
※ここからネタバレを含みますのでお気をつけください。
ジョーカーを中心にストーリー解説していきます。
ジョーカー登場
ピエロのマスクをつけた銀行強盗集団、ボスであるジョーカーから、それぞれ分け前が増えるから用済みなやつは消せと言われていて仲間同士で殺しあっていきます。最後に残ったピエロマスクの男に向かって一人の銀行員が「お前もボスから同じようにされるぞ、昔の悪党は名誉や敬意を信じていたがお前たちに信念はあるのか?!」と問いただします。ピエロマスクの男はその銀行員に近寄って口に手榴弾をくわえさせてマスクを取りますが、マスクの下の素顔にもピエロのメイクがしてあり口も裂けていました。彼こそがジョーカーだったのです。
ジョーカーは「俺の信念は、死ぬような目に遭った奴は、イカれてしまう」とジョークを行って立ち去ります。
Whatever doesn’t kill you simply makes you…stranger
ジョーカーが銀行員に言ったジョーク(ちなみにこの手榴弾をくわえさせられた銀行員は有名海外ドラマ、プリズン・ブレイクのマホーン役の俳優さんですね)。
これは哲学者ニーチェの言葉から来ている有名なことわざで「What doesn’t kill you makes you stronger」というのがありまして、これを文字ったジョーカージョークかと思われます。
このことわざを直訳すると「あなたを殺さないものはあなたを強くする」になりますが、意味は「辛い経験はあなたを強くする」になりまして、死ぬほどの経験はあなたを強くするという意訳の方が英語の文章に近いかもしれません。
そこから考えるとジョーカーが言う『Whatever doesn’t kill you makes you stranger』をわかりやすく訳すと「死ぬような辛い体験は、単に人を変人にさせる」といったところでしょうか。うんうん、ジョーカーらしいですね。
マフィアとの交渉
ジョーカーは銀行強盗を繰り返していました。その銀行にはゴッサムシティのマフィアたちのお金が大量にあったのでジョーカーはマフィアのお金を奪ったことになり、さらにジョーカーの銀行強盗がきっかけとなって警察のゴードンとバットマンがマフィアの資金を絶つため捜査を開始します。
その捜査に焦りを感じたマフィアたちの集会に突如ジョーカーが現れ、どこに逃げても資金を隠してもバットマンが必ず見つけだして資金を奪う、だから資金の半分をくれるならバットマンを殺してやろうと交渉してきます。もちろんこの時点ではマフィアは資金の半分を渡すなんて馬鹿らしいと断り、ジョーカーを捕らえようとしますが彼は身体中に手榴弾を巻きつけていて誰も手出しができず逃げていきます。
動き出すジョーカー
資金を隠して香港に逃げたラウがバットマンに連れられて警察に受け渡されます。ラウが自分を香港に逃すのを条件に情報を警察に話したことにより、他のマフィアに警察の手が伸びます。それに焦ったマフィアたちはジョーカーにバットマンを消すように依頼すること決め、ジョーカー遂にバットマンを狙い始めます。
ある日、バットマンの真似をして街の自警団のようなことをしていた人の遺体が見つかり、一緒に見つかったビデオテープにはバットマンの真似をしていた人が後ろで縛られていて、ジョーカーが、バットマンが正体を表さない限り市民を殺し続けると宣言する恐ろしい内容でした。そして遺体から判事、市警本部長、そしてゴッサムシティのホワイトナイトと呼ばれる正義を貫くハービー・デントのDNAが検出され、次のターゲットがその3人と判明します。
バットマンとジョーカーの対面
ジョーカーの次のターゲットとなった3人のうち、判事も市警本部長も殺され、もう一人のターゲットとなるハービーを襲うためブルース・ウェインがハービーのために開いたパーティー会場にジョーカーが現れます。そこでブルースはハービーを気絶させて避難させ、バットマンの姿になって戦いますが、レイチェルを窓から落とされバットマンは助けに向かいます。
市長襲撃
市警本部追悼などで市長を中心に多くの警察が街を歩く中、ジョーカーの襲撃を警戒しているゴードンたち。前回の事件現場からジョーカーの手掛かりを見つけバットマンスーツは着ないで現場に向かいますが、市長をかばってゴードンが撃たれてしまいます。ゴードンを撃たれた怒りに震えたハービーは捕まえたジョーカーの仲間と思われる男を拉致します。
その後ゴードンの家に同僚が訪れて家族にゴードンのことを伝え、家族が泣き崩れます。奥さんがバットマンのせいだと嘆きます。
一方バットマンはマフィアのマローニを、ハービーは拉致した男からジョーカーの居場所を吐かせようとしますが、知りません。マローニは「ジョーカーを裏切る奴はいない。バットマン、お前にはルールがあるがジョーカーにはない。マスクを脱いで正体を明かす以外やつを止めることはできない」と言います。
バットマンは相手が悪人でも殺しはしません。しかし、ジョーカーはなんでもありですので、二人を比べた場合やはり恐ろしいのはジョーカーなんですね。
バットマンの正体
自分がバットマンであると正体を明かすことを決意したブルース。ハービーが会見を開いて、バットマンの正体を明かすと記者やテレビで生中継されている中伝えます。しかし、ハービーは自分がバットマンだと嘘をつき、ブルースではなくハービーが逮捕されます。ハービーを警察が護送するので、そこをジョーカーが狙ってくると読んで彼は自分を囮にしたんですね。
案の定ジョーカーとその仲間が街中で銃撃やバズーカで護送車を襲いますが、バットマンが駆け付け、最後にゴードンがジョーカーの不意をついて捕まえます。ゴードンは生きていたんですね。
連れ去られた二人
警察署の檻の中に入れられたジョーカー。警察署全体でジョーカーを捕まえたゴードンに拍手が起きるが、その後ハービーが行方不明になっていると連絡を受けてゴードンはバットマンと一緒にジョーカーを問い詰めます。そしてバットマンがハービーだけでなくレイチェルまでもジョーカーの仲間に連れ去られていたことを知ります。二人の居場所を聞いたバットマンはレイチェルを助けに向かいゴードンたち警察官はハービーのもとに向かいます。
ハービーは倉庫で椅子に縛られていて目を覚まします。爆弾と電話のようなものが置いてありそこからレイチェルの声が聞こえます。レイチェルからどちらかが助かる、決めるのは友達(バットマン)だと言われたと聞いたハービーはバットマンならレイチェルの方と助けると考え、どうにか逃げるようとしますが椅子に縛られているのでうまく動けず横にあるドラム缶と一緒に倒れて顔半分に油と思われる液体がつきます。
そこで、バットマンがジョーカーから聞き出したレイチェルが捕らえられているという建物にたどり着きます。しかしドアを開けたら、ハービーがいました。ジョーカーは彼らの場所を逆に伝えていたのです。ゴードンら警察も少し遅れてレイチェルが本当にいる建物にたどり着きますが、目の前で爆発してしまいます。一方バットマンがハービーを助けたところで建物が爆発し、ハービーの顔半分についていた油に日がうつりハービーは苦しみます。
ジョーカーの計画
バットマンとゴードンが二入を助けに警察署をでた一方で、ジョーカーは見張っていた警察官にナイフを突きつけ電話をかけさせろと他の警察官から携帯電話を取り、どこかに電話を掛けます。そうすると一緒に投獄されていたジョーカーの仲間で腹が痛いと言っていた男の腹に携帯電話が縫い付けられていたのが発見されジョーカーの電話と同時に爆発します。爆発することを唯一知っていたジョーカーは無事爆発被害から逃れて、署内に捕まっていたマフィアのラウに会います。ジョーカーはラウに会うためわざと警察に捕まっていたのです。
新たな混乱
ハービーは顔の半分を火傷したが痛み止めも皮膚移植も拒否し続けて病院のベットにいました。
ジョーカーはラウを捕まえて建物の3階建てほどの札束を手に入れていました。マフィアのある男に、さすがだその金をどおするんだと聞かれ「俺の生活は質素だ。趣味はダイナマイトと火薬、そしてガソリンだ」と言って札束の山にガソリンをかけて質問してきたマフィアが吸っていた葉巻をとって火をつけます
ブルースが会長を務めるウェイン産業で働いていたリースがバットマンの正体がブルースであると突き止めていて、テレビの生放送に出演していて今から話す言います。そこにジョーカーの声が流れ「バットマンのいない正解を想像してみた。マフィアが小金を稼ぎ、警察が奴らを少しずつ潰す。そんな街は退屈だからバットマンの正体を暴かないことにした」と話します。そして今テレビに出ているリースを60分以内に殺さないと病院を爆破すると言います。
混乱する病院内でジョーカーは変装してハービーに会いに行きます。
最後の戦いの始まり
病院が爆破され後、避難させたはずの市民が乗ったバスが一台、そしてハービーが行方不明とわかります。そして、再度テレビでジョーカーの声明が流れます。「ゲームをしよう、街は俺が支配する。ゲームに参加したくなければ街を出ろ。しかし橋とトンネルはご用心」というもので、街を出ようとする市民で混乱します。
バットマンは街中の携帯電話のハッキングなどを駆使してジョーカーの居場所を探します。
ハービーの復讐
バーで飲んでいる警察官の元にハービーが現れ、捜査班の裏切り者はお前だとコインを回し、コインが止まったところで銃を撃ちます。
今度はマフィアのマローニの車で待ち伏せをしてもう一人の裏切り者を聞き出し、運転手を撃って車が事故は遭います。
ハービーはもう一人の警察内の裏切り者に銃を突きつけてゴードンの奥さんに電話させてゴードンの家族を呼びます。次のハービーの狙いはゴードンです。
ゴッサムのホワイトナイトとまで呼ばれた正義の使者がジョーカーによって悪に堕ちてしまったのです。
ジョーカーの実験
囚人を乗せた船と一般の市民を乗せた船にそれぞれに爆弾、そしてもう一つの船の爆弾を爆破させるリモコンが置かれていて、どちらかが0時までにリモコンを押さないと両方爆破すると船内にジョーカーの声が流れます。自分たちが助かるためには相手の船を爆破させなければならないのです。
遂にジョーカーと対決するバットマン。ジョーカーは0時になってどちらかの船が爆発することを期待してましたが、何も起こりませんでした。ジョーカーが自分で起爆スイッチを押そうとした時にバットマンが隙をついてジョーカーをビルから落としますが、地面に着く前に助けます。そしてデントが復讐をしていること伝えます。
闇の騎士
ゴードンが警察内に裏切り者がいたことを見抜けなかったことを攻めるハービーは同じ苦しみを味わわせようとゴードンの家族に銃口を向けますが、そこにバットマンが現れて、一緒に建物から落ちゴードンは死んでしまいます。
街の正義の象徴であるハービーまでも悪に染まってしまったことが市民に広まれば、正義なんてないんだとまた街が絶望に包まれると考えたバットマンはハービーが犯した罪を被り、ハービーを光の騎士のままにすることで街の希望を失わないようにすることを決めました。全ての罪をかぶったバットマンは改めて警察に追われる身となり、街のためにダークナイト(闇の騎士)になるのでした。
ジョーカーとは何者だったのか
新たにジョーカーを主人公としてなぜジョーカーが生まれたのかを描いた映画が出たりしましたが、今作のジョーカーの過去はわかりません。色々と顔の傷については本人が語りますが、毎回言うことが変わって真実とは思えなく、顔の傷の理由の真実も明かされないままでした。しかし、バットマンに対して「お前がいないとまたケチな泥棒に逆戻り」と言うシーンがあるので、特に目立たないよく街にいるただの悪党だったと推測できますね。お前がいないと生きていけないとまで言ってますね。ヒーローがいて初めてヴィラン(悪役)が目立つのは確かですから、なんてことのない悪党だったのでしょう。しかし、ここまでの狂気の存在ですから、バットマンが出てくる前でも目立ちそうなものですが・・・。
執事のアルフレッドが言っていたビルマの悪党の話がまさにジョーカーを表していますよね。まさに愉快犯。万引き犯も、商品が欲しくて万引きするのではなく、万引きという行為がしたいという人がいると聞きます。
I’m an agent of chaos.
ジョーカーが病院にいるハービーに言った一言、日本語訳だと「俺は、混沌の使者だ」。これが正にジョーカーなんでしょうね。ただただ混沌を求めているのでしょう。
最終的な感想
悪役が魅力的な作品こそ良作とも言いますが、ダークナイトはまさにそれですね。そして最後に敵となるのは仲間だったハービー、ヒロインであるレイチェルの死と内容として色々詰め込んでますが、一貫してジョーカーの狂気を描いていて、ジョーカーが主人公と考えてもいいくらい狂気の悪役の恐ろしさ、そしてそれに引き込まれる。もちろん現実にいたら怖すぎですけど。そしてそれを見事に演じたヒース・レジャー。本当に彼の演技には引き込まれます。本当におすすめできる大好きな映画です。
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