『チェーンソーマン』藤本タツキ最新作読切『ルックバック』感想・考察・解説。音楽『Don’t Look Back in Anger』と映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』との関係。

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 こんにちは、ホリ得です!

 『チェーンソーマン』の作者の新作読切『ルックバック』読みまして非常に深い作品と思いましたので感想など書いていきたいと思います。やはり藤本先生は天才ですね。

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タイトルの意味

 はじめにタイトル『ルックバック』は何を意味するのでしょうか。
 
 京本が生きている世界で書いた4コマ漫画のタイトルが「背中を見て」ですのでもちろんこの部分。
 最後の方で藤野が京本の部屋で振り向くと、二人が出会ったときに藤野がサインを書いた半纏がドアに掛かっていて、それを見て、藤野は漫画の連載を再開するとを決心します。それも「後ろを見る」のでルックバックですね。

 実はそういった意味以外にもタイトルの由来と考えられるものがあります。

イギリスのバンド・オアシスの大ヒット曲『Don’t Look Back in Anger』との繋がり

 この曲がどうこの作品と関係しているかというと、一コマ目の学校の先生が学年新聞を配るシーンの黒板右上に【Don’t】と書いてあります。
 そして最後のコマ藤野が漫画を描いているシーン、今度は左下、置いてある本の表紙に【In Anger】と書いてあるんですね。

 最初の【Don’t】と最後の【In Anger】に挟まれているこの作品のタイトルが【ルックバック(Look Back)】なのでこの曲のタイトルが隠されていたんですね。

なぜこの曲名が隠されていたのか

 日本の映画『BECK』のエンディングテーマとしても使われているので、ほとんどの方が一度は聴いたことがある世界的に有名な曲です。

 実はこの曲、2017年にイギリス・マンチェスターで自爆テロが発生した後、地元の人たちが合唱した曲としも有名なんです。
 この歌を歌うオアシスはマンチェスター出身のメンバーが多く、またタイトルの『Don’t Look Back In Anger』は日本語に訳すと『怒りと共に後ろを振り返らないで』となります。現地で最初に歌い始めた女性が取材に対して「私たちは起きてしまったことに対して後ろ向きになってはいけない。未来に向かっていかなきゃいけないの」と語っていて、そいったメッセージがタイトルとリンクしたんですね。

では漫画『ルックバック』との繋がりは?

 この曲がテロの現場で未来の平和を願って歌われた曲だということがわかったと思います。
 そして、京本は大学で起きたテロのような事件で命を落としました。
 また、今作が配信されたのは2021年の7月19日。2019年に起きた京アニ事件の2年と1日後です。藤本先生はあの事件も意識していると思われます。

二つの世界が繋がるこの作品最大の謎を映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』から考察

 なんで急にタランティーノ監督のハリウッド映画の話が出てくるかというと、『ルックバック』最後のページの左下にこの映画のポスターと見られるものが落ちてるんですね。そこから、この作品には『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の世界観が関係していると考えられます。

映画とどう関係している?

 ※ここより『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の完全なネタバレになってしまうのでこれから観る方はお気をつけください。

 

 

 この映画は1969年にハリウッド女優であるシャロン・テートが自宅で友人たちと共に殺害された事件を背景に描かれている作品で、事件当日に向けて話が進んでいきます。

 そして映画の中で事件の当日になった時、観てる人ほとんどがとうとうあの事件が起きると。そして事実通り、シャロンの家に犯人一味が侵入してきます。

 しかし、映画は事実と違う方向に進みます。偶然居合わせた主人公のブラット・ピット演じるクリフと、レオナルド・ディカプリオ演じるリックが犯人一味をボコボコに返り討ちにしてしまうんです。
 シャロン・テートや友人たちは殺されずに事実とは別の未来になるんですね。

そしてあのシーンの考察

 あくまで私個人の意見ですが、上記で紹介した映画のように小学校時代に藤野と京本が出会わずに京本が助かる世界も同時に存在していて、並行世界が4コマで繋がって藤野に前を向かせたということだったと思います。

まとめ

143ページという短い作品の中に色々な仕掛けや伏線、そしてメッセージが散りばめられていて、間違いなく傑作だと思います。

 

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