こんにちは、ホリ得です!
クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』でジョーカーを演じ、アカデミー賞を受賞したヒース・レジャーが出演するファンタジー『Dr.パルナサスの鏡』について語っていこうと思います。
悪魔との契約で不老不死になったりとかまるでディズニー映画のようなファンタジーです。
原題は『The Imaginarium of Doctor Parnassus』。Imaginariumとは空想の世界が実在すると思えるような現実離れした場所という意味です。
Dr.パルナサスの鏡 (字幕版)
あらすじ
悪魔のニックとの賭けに勝利して不老不死の命を手に入れたパルナサス博士は小人のパーシー、娘のヴァレンティナ、青年アントンと一緒に幻想世界を体験できる鏡を使ったショーをしながら旅をしていた。娘のヴェレンティナがもうすぐ16歳の誕生日を迎えるのだが、パルナサス博士は娘が16歳になったら悪魔に渡すという残酷な契約をしていたのだった。そんなある日、橋の下に吊るされていた謎の男トニーを助け、博士はこの出会いを娘を助けるための運命の出会いと考えるのであった。
ネタバレなし感想
鏡の中に入ると幻想世界に行けるということでまるでディズニー映画を観ているようなファンタジー感、綺麗な映像で楽しく観れました。
ディズニーのアリスインワンダーランドやティム・バートン監督のチャーリーとチョコレート工場のようなファンタジー・アドベンチャー感満載のストーリー、映像美なのでそういった作品が好きな方にぴったりかと思います。
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Dr.パルナサスの鏡 (字幕版)
ヒース・レジャー
記憶を無くした謎の男トニー役を演じていたヒース・レジャー。彼はこの映画の撮影中に亡くなってしまいこの作品が遺作となりました。
まだ出演するシーンがあったため現場は非常に混乱したそうですが、ロンドンで行われていた作中の現実世界でのシーンは撮影が完了しており、鏡の中での想像の世界の撮影に入るときだったそうです。そのため、一度は撮影続行を断念しようと考えたテリー・ギリアム監督は考え直し、監督の友人であるジョニーデップに連絡をしたところ、ジョニーがヒース・レジャーの友人でもあることからなんでも援助すると言ってくれたそうです。
しかし、ジョニーは別の撮影もあって一人では代役をこなせいとのことで、ヒースの友人のジュード・ロウとコリン・ファレルにも代役をしてもらい、トニーが鏡の中の想像の世界ではジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルと別人にようになっていくという形で撮影を完了することができました。
実際、4人1役と大変稀な展開となりましたが、徐々に露わになっていく記憶喪失だったトニーの本性や多面性を表しているようで観ていて違和感を感じませんでした。
ストーリー解説
※ここからネタバレを含みますのでお気をつけください。
この映画はパルナサス博士と悪魔ニックの過去からの因縁?が主軸ですので、そこを中心に解説していきます。
パルナサス博士の過去
この物語の主人公と言えるパルナサス博士。この作品は現代のロンドンが舞台でその部分は現実と同じように描かれていて悪魔であるニックと幻想世界に繋がる鏡以外は特にファンタジーな要素がないのですが、博士は1000歳以上なだけあり悪魔のニックに会う前から現実的ではないです。博士は雪山の奥にある大きな寺院で共に浮いている絨毯のようなものに座って仲間と共に世界を持続させる物語を語る者をしていました。簡単に言うと語るのをやめたら世界がなくなってしまうとのこと。
悪魔のニックがその寺院を訪れた時には語り手たちの口を魔法のようなもので塞いで無理矢理に語る者をいなくして、ほら誰も語っていないが世界はまだここに存在していると反論しますが、博士は別の場所で語っている者がいるから世界は存在するのだと言います。
博士と悪魔ニック
博士は幾度に渡って本来手に入らないものを得るため、悪魔であるニックと賭けなどのやりとりをしています。
不死
パルナサス博士とニックの賭けがこの物語の主軸となっていて、内容は先に12人の弟子を集めた方が勝ち、というものです。
ニックの論点は「危険や恐怖は必要悪で無知は幸福をもたらす」というもので、対する博士の論点は「想像力が人生を大きく変え導いてくれる」でした。
賭けは博士が勝ち、その時の博士が最も欲しかった永遠の命を貰いました。しかし、時代が流れればいつか誰も博士の物語を聞かなくなって忘れられて行き場を失うことをニックは見越していてわざと負けたのでした。実際博士も永遠の苦痛だと評しています。
若さ
博士は誰も物語を聞いてくれなくなった時にお金を置いていった若い女性に恋をしますが、博士は不死でも1000歳で見た目は老人だったため彼女に求愛できません。そこでまた悪魔ニックが現れ、今度はニックに若さを貰って博士は恋をした女性と結ばれます。しかしもちろんニックが何の代償もなしに若さだけくれるはずがありません。幸せそうに川の上をゴンドラに乗っていると牛の死体などが流れてきてその先にニックが現れますが、ここの代償に関しては明言されていないです。その後、ヴァレンティナが生まれた時に母親が亡くなったと言っているので、母親の命だったのかもしれません。
永遠の終わり
自暴自棄になったのか博士の最も愚かな約束がこれだと思います。自分に死を与えてもらう代わりに、娘が16歳になった時に娘を受け渡すというもの。娘のことを思うと酷すぎますね。そして16歳になる数日前にニックが再び現れて新たな賭けをします。
ヴァレンティナ
ここから過去の賭けではなく現代に現れたニックとのやりとりです。そもそもニックが貰うはずったヴァレンティナをこの賭けに博士が勝ったらニックが諦めるというなんとも優しさに溢れた賭け。悪魔ニックにはなんのメリットもないと思いますが・・・。
もう一度ヴァレンティナ
最後はトニーをこの世から消したらヴェレンティナを返すというもの(後でニックはヴァレンティナを手に入れていないことが発覚するので返せないのですが)。
ニックとのやりとりは全部パルナサス博士の強い欲望ですね。酒にも溺れていますし、博士は相当な曲者、まあ人間らしいというか。
最後に
ヒース・レジャーの遺作となってしまった映画。どの作品を見ても彼の演技力に引き込まれます。ジョニー・デップをはじめとする友人たちが彼の役をこころよく引き継いでいることから人柄も素敵な方だったと容易に想像できます。
ファンタジー映画を楽しむのはもちろん、彼の最後の演技を是非観てほしいです。
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